7.24.2015

オススメ3作

百年の孤独


俺は女とキスをしたこともないんだ。金持ちになって事態が変わるなら俺は何だって構わない。相手にしてくれるなら金が目当てでもいいんだ。俺は幸せになれるかな?―――シンプル・プラン―――

この1ヶ月で5回くらいのジョギングをし、Mini Convertibleを買いに行き、30本くらいの映画を見て、「百年の孤独」を読み始めた、というのが私の私生活の全てである。


その中で印象に残った映画は
  1. シンプル・プラン
  2. メランコリア
  3. 鑑定士と顔のない依頼人
の3作。



1 シンプル・プランは再見。サム・ライミ。以前に見た時は、記事の記述を見る限りは、ローラーのおかずに見ていたのか、単純かつ表層的な見方をしていたようで、普通のアメリカ映画として見ていた様子。
今回は、お兄ちゃんの哀切をメインに見た。中年の危機まっただ中にある身としては大変にシンクロしてつらいものがあった。このようなお兄ちゃんになりたい、なるべきだ、このコースしかこの先生きのこる道はない、と思った。
アカデミー賞がなんたら、という作品だが日本ではマイナーであるらしく、入手性、視聴性が悪い様子で、Google Playなどでも見つからない。中年の危機にある男性は必見とも言えるが、そうでなければ見る価値があるとまでは言えない気もする。間違っても子供の情操教育にはならない、という作品であった。星3.9つ。





メランコリア
2 メランコリアは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で有名なラース・フォン・トリアー監督作品。この監督はいまどきの若い世代―と、物知り顔のアート崩れのおじさんおばさん―には大人気である様子。私はダンサー・イン・ザ・ダークよりも「ドッグヴィル」シリーズの方が印象深いが、ともかく、その鬼才による作品。「メランコリア」という題名の通り、監督が鬱で、その気晴らしだか治療の一環として撮った作品であるとか。
というような予備知識無しで見たところ、冒頭の美しい詩的イメージあふれる(ように見えるが、心のどこかで「なんか山師臭いな」と警戒心が働く)シーンの連続からとんでもなく退屈な結婚式シーンに移ったところで初めて、「あれ、これはひょっとして娯楽映画じゃなくてアート映画なんじゃないか」「アート映画ならばこちらの知性不足で全く読み取れないぞ…最新式アートくさいから全く歯がたたないな…」「ひょっとしてこれ、映画じゃなくてインテリ製の知的パズルなんじゃないかな…」という感覚があって、全く文法やら方法論やら意図やらが読み取れなかった。
「これは私の理解できる範囲を超えている。全く歯がたたない。しかし『ボクもメランコリア見たよ、興味深い作品だったね』とサラッと言って見栄を張るためのアリバイ作りとして最後まで見なければ…」と、ほとんど意地になって見続けたところ、後半になってようやく話が動き出して―動き出したからといって面白くなるわけではないが―SF映画風に話が進んでいき、なるほど、つまらん、という結末を得た。
個人的には「この矛盾だらけの今の世の病的な同時代の感覚」は強く感じた一方で「世代や時代を超えて否応なくこちらの心に入り込んでくる芸術性」は感じなかった。「池田大作先生や渡邉美樹先生の肖像画を見た時の『うわぁ』という感覚」はあったが「ゴッホのひまわりを見た時の『うわぁ』という感覚」はなかった、と言い換えられるだろうか。
したり顔のアート崩れのおじさんおばさんたちには先生先生すごいすごいと持ち上げられているが、恐らく芸術志向のラース・フォン・トリアー監督自身はわかっているのじゃないか、と。池田大作先生の画は描けても、ひまわりは描けない、という現実を。タルコフスキー大先生の映画を見た後に、自作を見たとしたらそりゃ鬱病にもなる、と想像した時、初めてこの「メランコリア」という作品に共感と尊敬の念と、恐怖を抱いた…。星4.0つ。




鑑定士と顔のない依頼人
3 鑑定士と顔のない依頼人は「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」で知られるジュゼッペ・トルナトーレ監督。信頼と実績、安心安全の名監督である。
ネタバレを嫌うタイプの映画であり、また同時に、ネタバレを嫌うタイプの映画である、と言ってしまうこと自体が視聴体験をスポイルしかねないが、そう言わないと、どこかで読むべきでないものを読んでしまってもっとスポイルしてもいけないから難しい。一切の解説や商品説明も読むことなく、予備知識無しで見るのが良い。
平たく言うと、中年を通り越してもはやヨタヨタし始めたおじさんが、カネとか名誉とか職業人としての誇りじゃなくて、真の幸福を得る、というような話であろうか…?
さすが信頼と実績のジュゼッペ・トルナトーレ監督である。星4.3つ。




4 件のコメント:

  1. この三本の映画の中で見た事があるのは「シンプルプラン」だけ。結末が切なくて哀しくて、不条理な結末にどーんと心が落ち込みました。「鑑定士」は一番観たいですねぇ。予告編を観ましたが、二転三転のどんでん返しって話しでしょうか?「メランコリア」にいたっては拒否反応がでました。www

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    1. シンプルプランのお兄さん、いいですよね…(泣)

      断言しますが、akiraさんほどのお方ならメランコリア一択ですね、鑑定士を見ても時間の無駄です。
      そういうわけですので、どうぞよろしくお願いいたします(謎)

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  2. たまごあたま2015年7月28日 10:38

    身震いするほど羨ましい私生活だなぁ。

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