6.07.2015

気合を入れながらも空振りをしたかわいそうな記事

足首の捻挫で運動もできず、自称・ポルシェ貯金中でどこかへ遊びに行くこともできず、めったにない休日ともなると積んであるDVD類を見て過ごしている。

2015-06-06
インサイド・マンを見た。星4.2つ。準傑作。大人向けの落ち着いた娯楽作品。内容は、銀行強盗であり、完全犯罪であり、刑事モノである。人種差別問題をチラリと出してくるなど、スパイスが効いている。また、刑務所ネタ、ケツを蹴り上げるネタを含むアメリカン・ジョークが含まれている点も見逃せない。ネタバレをするとつまらないタイプの作品であるから予習はしないほうがよい。
結末にわかりにくい部分があり、伏線を求めて再見したが、伏線を再見して結末の細かい意味がわかっても特に感動も意味もなく、大筋で一回見れば十分。
デンゼル・ワシントンが、わーっと台車に乗って移動しているかのように見える特殊効果映像風のシーンがあったが、そのシーンだけは今でも全く意味不明である。「デンゼル・ワシントンが、わーっと台車に乗って移動しているかのように見える」シーンと言ってもまるっきり意味不明に聞こえるが、本来は歩くか走るかしているはずなのだが台車―フレーム内には映っていない―に乗って移動しているように見えるというシーンで、明らかに何かの意図が込められているにも関わらず、さっぱり読み取れない。トーシロにはさっぱり読み取れないことだろうが芸術とはそういうものだよ、君、というタイプの作品でもないのにもかかわらず、である。


2015-06-04
タクシードライバーを見た。星4.5つ。誰からも好かれる信頼と実績の傑作。アメリカン・ニューシネマの代表作であり、映画史でも重要な作品であり、お見合いなどで「好きな映画は何ですか?」と聞かれた時に「タクシードライバーです」と答えたり、「休日は何をしていますか?」と聞かれた時に「鏡の前で"You Talkin' to Me?"と言っています」と答えると大変に無難なやりとりになる、万能薬のような映画。
20年か30年か40年ぶりの再見だったが、今回の方が楽しめた。若い頃はもう少し大仰で破滅的な傾向を好んだが、今となっては大統領候補に届かないくらいの、ベッツィーを罵っちゃうくらいの、そんなタクシードライバーの中庸さが好きである。大好きである。
ブルーレイでは気合の入った修復だかリマスターが行われたようで画が大変にキレイである。フィルムは、良い状態で残ってさえいれば掃除したり修復したりで現代のHD水準によみがえる様子。逆に、デジタル撮影黎明期(あるいはアナログテープ?)の作品は劣化こそしないものの改良の余地がほとんどないため、この先はよくないかもしれない。


2015-06-04
KontarskyのDie Soldatenを見た。Metzmacher版と比べると、映像も音質も悪いものの、演出は良い。奇音、怪音、騒音の詰め合わせであるが、不思議と見ていて退屈しない。表面的にはバリバリの前衛芸術であるが、本質的には娯楽作品に近いのかもしれない。
気合を入れた映像収録というより、記録映像を映像作品化した、という方が近い印象があってやや映像音声の品質面で不満がある。しかし、英語字幕であろうが画がやや汚かろうが、この作品を映像作品で見れるというだけでありがたい話である。
かつて気合を入れながらも空振りをしたかわいそうな記事を書いたことがある。Die Soldatenは知名度こそ未だに低いものの、大変な傑作である。Kontarsky版でもMetzmacher版でも、まず、プロジェクトが成り立った時点で大変―これを演奏したいと言っても「カネにならねーんだからそんなのやめろ!プッチーニにしろ!」でおしまいである―なことであるし、それが映像として世に出回ることが大変に幸福なことである。
本当は実演を見たいところだが、生きている間に日本で実演が見られるかは疑問。何かの機運が高まれば新国立劇場での再演はあるかもしれないが…。




2015-06-04
勝手にしやがれを見た。泣く子も黙るゴダール先生。ゴダール先生に対して星はつけるようなことがあってはならないが、敢えてつけるとするならば星3つ台。映画史の超絶★重要作品であるが、娯楽作品ではないし、面白いか、というとそうでもない。
話の内容はとてつもなくつまらない。というかこの映画は、そうしたストーリーがどうの、というような旧来の老害思考をあぶり出す装置である。映画文法の解体、ヌーヴェル・ヴァーグである。ストーリーがどうの、と言った時点で負けである。ストーリーだけでなく、映像、音声、俳優の演技など、ありとあらゆるところにこうした老害思考あぶり出し装置が仕掛けてあって刺激的である。そうした老害思考をあぶりだしてクソミソにこき下ろすところがおフランス。
現在の目でみると「なんか3流私立大学のオタク映画サークルの自作みたい」という印象があるが、それは逆である。シリアスな映画オタクがあこがれてマネをする―マネをして失敗しているのだが―のは半世紀経った今なおゴダール先生なのである。



草の乱
草の乱を見た。星3.3つ。秩父事件を扱った作品。埼玉が舞台ではあるけれども、今のような埼玉県という感覚は薄い明治期の話。秩父事件は明治時代なので「武装蜂起」と呼ばれているが「いっき」と言ったほうがわかりやすい。貧乏農民が貧乏と重税とアコムの高利と権力の腐敗に耐えかねて起こした事件。自由民権運動の一種。埼玉県の歴史としては恐らく知名度は鉄剣と並んでトップクラス。鉄剣が埼玉の歴史かどうかは疑わしいが…。
啓蒙作品としても娯楽作品としてもスタンダードで面白いが、とても面白いとまでは言えない。積極的にカネを出して見るほどではないが、TVでやっていたならば必見、埼玉民ならレンタル代を払っても良い、という程度。
映画の時代の政治活動は「よりよい世の中を作るために」という理念を感じるが、現在のリベラル派が行っている活動には非生産的な批判、非難、攻撃精神は感じるものの「より良い世の中を」という理念を感じないのが悲しいところ。





2015-06-05
許されざる者を見た。星2.2つ。イーストウッドでも、渡辺謙でもない、1960年の許されざる者である。西部劇だが、イーストウッド版とは恐らく関係がない。タイトルが同じなだけである。
本来はネイティブ・アメリカンをいじめる白人を許されざる者として描くはずだったのが、いろんな政治的思想的な横槍が入り、未開で愚かで野蛮な人間以下の畜生としてのネイティブ・アメリカンを撃ち殺しまくるという、何が何だか分からないグズグズな状態になってしまった駄作、というのが一般的な評価らしいが、オードリー・ヘップバーンが出ているので、一定の人気がある様子。オードリー・ヘップバーンの存在自体に秘密があり、その秘密が暴かれた時のこちらの放心というか失望は計り知れない。「誰がどう見たってそんなわけねーだろ!いいかげんにしろ!ここまで見進めた時間を返せ!」と言いたくなる。悪口を言っているが、今年の大河ドラマ「花燃ゆ」と比べればはるかにマシ、というくらいには楽しめる。
古い映画なのでCGがない。アクションシーンがホンモノ。安全上の問題だろうか、現在では見ることができなくなった馬を使ったアクションシーンなどは見どころ。本当に馬に乗っているし、時には走らせてもいる。走っている馬から走っている馬へ飛び移るシーン―馬Aに乗って全速力で走らせる。馬Aが疲れたら馬Bに乗り換える、というシーン―もある。ヘップバーンは馬から落馬して落ちてしまい、骨を骨折で折ってしまって撮影延期、流産をしたとか。


2015-06-06
赤線地帯を見た。溝口健二の代表作。星3.9つ。吉原の現実。「この間ソープいったらよお、ババアが出てきやがってカネ返せって話だぜ!」という会話は、男性間では「おはようございます、今日も暑くなりそうですね」という挨拶と同じくらいの頻度で交わされるお定まりの会話である。
赤線地帯はその「ババア」の話である。30から50歳くらいまでの「ババア」の話である。亭主が病気で働けないから自分で働くしかないババア、平凡な主婦にあこがれならも借金で身動きがとれないババア、「古い魚と新しい魚が並んでたら誰だって新しい魚を買うだろうが」などとひどいことを言われるババア、近所の旦那衆をたぶらかしてとったカネをババアに貸して利殖するババア、パンパン崩れのババア、息子とささやかな同居を夢見るババア…現代でのワタミ従業員に通じる、厳しい現実の話が、黛敏郎の珍妙な音楽によって彩られる。
もし私がこの「サロン 夢の里」に客として行ったとして、どのババアを選ぶか、というと、「所帯じみて貧乏やつれした」「亭主が病気で働けない」ババアを選ぶだろう。


2015-05-28
自称・ポルシェ貯金中なので、不必要な出費を控えているが、既に買ってあったチョコレートをペチョペチョと食べながら映画などを見ていた。そしてついにはM&M'Sの在庫が尽きた。今は水道の水を飲んでしのいでいる。



2 件のコメント:

  1. たまごあたま2015年6月8日 17:02

    基本的に「男って奴ぁ…」な映画ですねぇ。

    評判の良さそうな「チャッピー」を観ました。
    ハッピーエンド。なのかな?にんともかんとも。

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    1. ほー、チャッピーなる映画があったんですね、知りませんでした。
      ケチ生活をしているのでしばらくは映画館には行けそうにないです(>_<)

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