5.10.2015

許されざる者を見た

また渡辺謙か、右を向いても左を向いても謙だな、と食傷気味ではあったが、許されざる者を見た。これはイーストウッドの方の許されざる者のリメイクである。
昭和生まれの中年の危機をむかえたおじさんにとって、イーストウッド版は重要映画の一つであるが、今の若い人にとってはどういう位置づけができるのかは不明である。「今どき暴力とトラウマと喪失と再生の物語なんて十把一絡げの二束三文テンプレートだろ」と言ってしまえばそれでおしまいである。逆に、中年の危機に苦しむおじさんにとっては、大変に評価の高い21世紀作品であるところの「パシフィック・リム」などは、見るに堪えない。世代ギャップであろう。もはや新しいものについていけない。もっぱらビル・エヴァンスを流し、グラン・マカーブルのブルーレイを買っては喜び、木村佳乃を心の恋人として長年にわたりあがめ、保険と墓石と新聞の勧誘員に怒りを覚え、なにかガジェットを買っては飽き、飽きては買い、買っては喜び、喜んでは飽き、後悔し、何度も繰り返してきた後悔にも飽きる日々を送っていつの間にか中年を迎えた、新しいものに対応できない中年としては、勝手知ったる許されざる者のリメイクとなれば見るほかない。新しいストーリーはもはや把握ができないのである。
というわけで、見た。イーストウッド版を体験したという補正があるお陰で星4.0の秀作という評価ができる。ほぼ忠実にイーストウッド版をなぞって舞台を明治・北海道に置き換えてある。まーた渡辺謙か、という食傷はあるのだけれども、やはり適役であった。忠実なリメイクなので特に新味などはないのだが、ほぼノンストップで見れたことから中年補正を外したとしても映画としてのクオリティは高いはず。


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