4.10.2015

歯医者の日


朝起きるとダルく、朝ピアノ練をする気が起きなかった。風邪や脳腫瘍ではなく、体調の波が底にあるのだろう。ピアノ練の代わりにHDリマスターされたX-Filesの再放送を見て、晩年のマイルス・デイビスを聞いた。帝王と呼ばれた男だが、その晩年・到達点があまりにも中庸に聞こえた。この中庸さは、もっと加齢しなければわからないものなのだろうか。
ダルかったのには、歯医者の定期健診の日であることも影響していたのだろう。「4月10日、午前10時にこのハガキと健康保険証とカネを持って出頭せよ」と書いてある印刷ハガキには、珍しい名前の衛生士のかわいこちゃんによる、歯の様子をたずねる手書きボールペンの字が書かれていた。その歯科は、フランクで、私には違和感のあるほどのフランクさでいたたまれない感じがあるが、私に対してフランクというわけではなく、衛生士同士でフランク、他の客とフランク、というもので。とはいえ、いい年をこいた大人がフランクな会話をしていることに違和感を覚える私の行動範囲の狭さ、世界の狭さ、社交のなさが異常なわけで。
クリーニングと定期健診。「すこしずつおやしらずが成長しており、下のおやしらずについては抜歯に大変苦労し、大変な苦痛を伴うだろう、でかい病院での抜歯となるだろう、乙www」と歯科医が言った。事態が切迫するまでは「だいじょうぶっすよ、カコっと抜くだけっすから」と気楽なことを言うべきである。事態が切迫しないうちに深刻なことを言うと事態が切迫するまでの期間―それは1年かもしれないし5年、10年かもしれない―、憂鬱に過ごさねばならぬではないか。
ハガキが届いてから、歯医者の日である今日までずっと憂鬱であったが、無事、終わった。朝のダルさも夕方には回復した。



日本の田舎町の、例えば取手とか川越とかの、ほとんど学歴のないホステスが、リラックスしてヒモの男と昼間に焼き魚定食を食べに行く時に好んで履く金色のサンダルは基本的にビニールでできている。―――イビサ―――

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