10.12.2014

BMPCC購入後の短期使用日誌

2014-10-11
Blackmagic Pocket Cinema Cameraに新ファームウェア(1.9.7)が来ていて、アップデートした。日本語では「ディスクフォーマット機能を追加するソフトウェアアップデート。」とだけ書いてあり、何だたったそれだけか、そんな機能なくてもいいのに、まあ、バグフィックスくらいは含まれるだろう、と期待せずにアップデートをした。またその際に、Camera Utilityをアンインストール、再インストールしてから、という謎手順が必要だった…。
実際にアップデートをしてみると「ディスクフォーマット機能を追加するソフトウェアアップデート。」というようなちんけなものではなく、大規模改良と言って良いものだった。この辺りのサポートはBlackmagic社は結構厚く、釣った魚にエサはやらない方式にファームウェア改良をしない日系某S社とは違う。例えば某100など、ファームウェアでどうにでもなりそうな、電源を切っても書き込みが終わるまでなかなかレンズが引っ込まないというふざけた弱点が放置されたままである。
  1. シャッターアングルが増えた。150度というアングルが増えた(以前にもあった?)。それより目玉は45度より高速側である。11.25度、15度、22.5度、30度、37.5度と大量に増えた。11.25度だと、シャッタースピード換算すると秒24コマで1/768、30コマで1/960だろうか(計算が苦手だから違うかも…)。晴天時でも可変NDフィルターを併用すればASAを200まで下げなくても絞りをあけることができそうである。ダイナミックレンジのためにはASAは400と800だけで済ませたい。非常に有用。従前は45度(24コマで1/192、30コマで1/240)が最高速だったからモデルチェンジ級の機能拡張である
  2. ヒストグラムと音声レベルグラフがついた(ON/OFF可)
  3. ホワイトバランスが2500Kから8000K(従前は3200Kから7500Kの6段階?)までに拡張され、調整刻みも18段階と細かくなった
  4. 操作方法が少し変わった。絞り操作が右と左ボタンに変更された
  5. Frame Guide機能ついたようだが、外部モニタ用だろうか。本体画面には関係ないかもしれない
  6. UIが少し変わった。ホワイトバランスやシャッターアングル変更はメニュー階層を従前より1段深く潜らねばならなくなった
  7. SDカード撮影可能時間残量表示が出るようになった
  8. SDカードのフォーマット機能もついた(あってもなくてもどうでもよい。カメラ単体では動画ファイルを消せないので、結局コンピュータを使うことになる)
という、かなりの改良、というか、今までがひどかった、というか、今でも不足しているというか…。
欲しいのはシャッターアングル(シャッタースピード)のボタン操作。メニューを潜らずに済ませたい。これを欲しがるのはデジカメ脳だからかもしれぬが…。シャッターアングルは172.8度が滑らかな動きで、且つフリッカー軽減で基本だが、最近では速いシャッタースピードのパラパラ映像も市民権を得つつあり、シャッターアングル変更は簡単にできた方がよい、と思うが、やはりデジカメ脳…。


2014-10-11
BMPCCを買ってから1週経ち、何度か撮影にも出かけた。撮影装置としてのカメラの扱いづらさ、撮影後の編集ソフトの扱いづらさ、そして動画というものの扱いづらさ、という三重苦を味わっている。覆水は盆に返らないという説が有力なので「もしあの時に戻れたら買わなかったか?」という問いはしないことにして、手元にBMPCCが実在している、扱いづらくてもカード会社は借金を満額取り立てに来る、という現実を受け入れるほかない…。つらい…。


BMPCCで東京タワー
三重苦のうち、まず、撮影装置としてのBMPCCの扱いづらさ。
  • 露出調整がしづらい。日中は可変NDフィルターで、室内や夜間はNDフィルターを外してフルマニュアル(操作はいちいちメニュー潜り)。オートで!ということができない。オートがない!
  • 画角が焦点距離の2.88倍と広角に厳しい(14mm単焦点が換算40mm。本来のMFT機なら換算28mmなのに)
  • ホワイトバランスが手動。昼は5400kとか5600kあたり、夜は4600kとか4800kあたりが無難だろうか。オートがない!
  • ボディでレンズ歪曲補正がされない(or されてても効果が低い)。日系P社はどう考えてもボディ内補正を前提にレンズ設計をしている
  • 水準器がない。水平が出ていない場合、静止画と比べると修正が厳しい。修正は即、解像度低下になる
他にもバッテリーが弱いとか、液晶画面が見にくいとか、SDカード容量を食うなど、弱点はたくさんある。ただ、そうした弱点よりも、煩雑操作でスナップに向かない、撮影に至るまでに時間がかかるからシャッターチャンスを逃す、手持ちだとブレブレでひどいから三脚を使うが風が強いとブレブレで結局ボツ、など総合的に歩留まりが低い、というところがコアな部分での扱いづらさである。三脚をおったてる場合、警備員に怒られたりするので、警備員の目を盗んで、とか、怒られるのもイヤなのでそもそも撮影する気が起きない、ということもある。写真の場合は手持ちでよいので、そういう心配は少ない。色々大変なのに、収穫が少ない。
2014-10-11
例えばこの場面を動画で撮りたい場合、人ごみで三脚を蹴っ飛ばされないようにしなければならないし、警備員の目を気にしなければならないし、邪魔者の三脚をおったてる前にホワイトバランス、絞り、シャッターアングル、画角を決めておかねばならないし、仮に三脚をおったてて撮影に入れたとしても、水平がでない!でにくい!動画の場合、傾きが目立つ気がする。
結局、この場面は諦めた。




スクリーンショット 2014-10-12 7.36.19
次に編集ソフトの扱いづらさ。DaVinci Resolve Liteを使っているが、コンシューマ向けでないことから、敷居は非常に高い。さっぱりわけがわからないパラメータや数字が無数にある。これはカラーコレクションハンドブックを読み進めつつ、ソフトをいじりつつ、少しずつ慣れていくほかない。わけがわからないのは「色」に対して基礎的な知識がないからで、文句を言うことではないが…。
また、単純にコンピュータソフトとして非直感的で、動画ファイルを読み込んで、色をちょちょっと調整して(または一切補正せずに)、新しいファイルを書き出す、というもっとも単純な流れでさえ馴染みのない操作が必要で当初はそこから暗中模索だった。SIGMA Photo Proのように、ソフト自体が不安定ということは今のところ感じない。
YouTubeに日本語によるDaVinci Resolve基礎解説がある。「うわぁ、扱いづらいソフトだなあ」と感じる人は必見。


2014-10-11
Panasonic Lumix G VARIO 14-45mm F3.5-5.6*
そして動画というものの扱いづらさ。静止画空間に時間次元を加えて撮影するのが動画なのだけれども、写真に次元がひとつ加わる困難さ―写真が簡単と言っているわけではない―と、ファイル1からファイル100までの連続性・関係性のもたせ方の困難さ。旅行の場合は、基本的に時系列順に並べていけば、旅行という物語が出来るけれども、そうでない場合、能力か動機が要る。能力も動機もない場合、連続性が出ず、ただのファイルの羅列になる。

*中古で安価なPanasonicの14-45mmを買った。手ぶれ補正に標準便利ズーム。と言っても、BMPCCの場合換算約40mm-130mmと長めだが…。手ぶれ補正ON/OFF物理スイッチが付いているので、三脚と手持ちの両方で使える。フィルター経52mm、重量195gと小型軽量安価で扱いやすい。描写はいかにも便利ズームで良くも悪くもない程度。普段使いレンズで勝負レンズではない。BMPCCで使う場合、新宿のような明るい夜ならば14-45mmのような安価で暗めのレンズでもシャッターアングルを開けばASAは800でいける。1600はノイジーなのでできれば使いたくないところ。
BMPCCで使う本命レンズは単焦点を除けばPanasonicの12-35mmだが、やや大きく重たくかなり高価。


スクリーンショット 2014-10-12 7.49.29
散々悪口を言ったが、BMPCCには強烈な強みがある。ProRes HQ(あるいはRaw!)とサイズである。ProResをポケットカメラで!たったの1000ドルで!え?20000ドルじゃないってば、1000ドルだよ!違う違う、台車で運ぶんじゃないってば、ポケットサイズなの!というのがBMPCCの飛び抜けた強みである。そしてProResだが、上の画像はProRes素材をそのまま切り出したものである。ライトなどの光源を除けば白トビも黒つぶれも起こっていない(デジカメ動画だと白トビ黒つぶれが起きるだろう)。このダイナミックレンジの広さ―がProRes由来なのか、この動画規格とは別のBlackmagic社の設計由来なのかは知らない―とProResの編集余地の大きさが際立った強みである。ProRes素材のままだとコントラストも彩度も低いので、ここからカラーグレーディングソフトで調理して好みに味付けしていくわけだけれども、ダイナミックレンジも広く、編集しても破綻までの余地が広い。デジカメ動画の場合、それは調理済み完成品であり、編集余地はあまりなく、いじりだすとすぐに破綻する。
マジックランタン等でデジカメをハックしてリミットを外す、とか、でかいボディにでかいレンズで余裕のある描写、とか、4Kで撮ってHDにリサイズして解像感を上げる、とか、いろいろに高画質動画へのアプローチはあるが、BMPCCは広いダイナミックレンジにモノホンのカラーグレーディングソフトというアプローチ。従って色の知識をある程度持った人間がソフトウェアを使うことが前提になるので今の私では前提条件を満たしておらず、あまり文句も言えたものではないが、撮影機材として扱いづらいことは間違いがない。スナップ的にバンバン撮れるわけではない。別の言い方をすると、編集余地の少なさ以外ではバンバン撮れるEOS Mの方が圧倒的に扱いやすい。このあたりを思えば、Canonという餅屋の餅づくりのうまさには心底感心する。さすが私(イケメン)の所有する会社である。Canonは偉大だ。
という記事を数日前にも書いた気がするが、もう忘れた。



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