3.22.2017

ハイブリッドピアノ GP-500が魅力的


現在使用している電子ピアノが10年選手となろうとしていて、いつ壊れてもおかしくないため、次期機種選定は常に課題となっている。壊れたら次も一番安いYAMAHAの電子ピアノでよい、とは思っているのだが、少し色気を出してもよい、とも思っているあいだに、楽器店や電気店で電子ピアノを試弾する機会が何度かあった。

電子ピアノなどというもの、いや楽器全般は、あれこれを検討するまでもなく、YAMAHAを買っておけば間違いがないという思考停止もあって、YAMAHAのラインナップから機能や価格で折り合った機種を買えばよい、と思っていたが、ネット広告だったか人様のブログだったか忘れたが、CASIO GP-500という機種の存在を知り店頭で試弾してみたところ、これがよかった。

GP-500の(私個人への)訴求ポイント
  • 鍵盤機構が本物風
  • 木製鍵盤
  • 音源がベヒシュタインと共同開発
  • 塗装が光沢の黒(ピアノブラック)
  • ハイブリッドピアノにしては80kg弱と軽量
この中でも特に訴求するのが鍵盤機構である。電子ピアノの最大の弱点は鍵盤タッチが本物と違う点にあって、どうしてもニセモノに過ぎなかった。これを克服しようと近年開発されてきたのがYAMAHAのハイブリッドピアノというカテゴリで鍵盤機構はホンモノ風に作って演奏感を満足させつつ、タッチ感覚以外は電子ピアノのままだから騒音トラブルで隣人に射殺されずに済む、というものである。
ヤマハのハイブリッドもそうであるが、GP-500も実際に弾いてみるとなるほどこれなら文句はないな、という出来である。普段から本物のピアノを弾いている人にとっては文句しか出ないだろうが、私は普段から本物のピアノを弾いている人ではないから、だいたい本物っぽい感じがあればそれでよい。本物のピアノと言ってもメーカー、機種、年代によってタッチなど千差万別で、正しい規格があるわけでもない。
店頭に並んでいる電子ピアノを横断的に弾いてみたところ機種ごとにタッチに差はあって、それが良いのか悪いのかは判断がつかない。ただ、ハイブリッドピアノ全般はやはり本物っぽさがあってより良い、という気はする(が、ブラインドテストをしたら果たして…)。
スピーカーから出る音は価格と比例という感じもあるが、40万円クラスでもやかましい店頭で聞く限りはどの機種も残念な音質である。スピーカー音質を望むならヤマハAvantGrandシリーズ、それも上位機種となるだろうから非現実的。


GP-500の訴求しない点(※個人の感想です
  • 楽器メーカーとしての印象の薄いカシオであること
  • 店頭で聞く限りはスピーカーの音質が低い
  • 誇らしげに貼られているベヒシュタインのプレートが田舎くさい。スズキの軽自動車に貼られているベンツマークを見たときに感じる貧乏くささ
  • イスに座って正対する場所に金文字でCASIOと書いてある
  • 足の先っちょが金メッキで覆われていて、そのデザインセンスが貧乏くさい

ハイブリッドピアノは、グランドには遠く及ばないがアップライトを買うより有効とする識者もいるくらいであるし、GP-500はシリアス勢の評価も高いので、次期機種の最も有力な候補となった。ちなみにGP-500より10万円安いGP-300という下位機種もあるが、両者の違いは良く知らない。
というわけで、候補としては現在使用中の安い電子ピアノの後継機種か、GP-500か、という感じで固まりつつある。そして20万円か30万円か40万円するクラビノーバは候補から脱落した。

あとは弾く人間の能力が低いのだからピアノも低価格のものでよい、とするか、弾く人間の能力が低いのだからピアノだけはカネを出して良いものを買うべきだ、とするか…。




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3.21.2017

Scarlatti (Domenico) K.19ですよ


スカルラッティ K.19の譜読みというか音合わせが終わった。これで自称・持ち曲が13曲となった。過労や中年の危機で一日あたりの練習時間は減っているのに曲数が増えているため、1曲あたりの練度が希釈されてそれぞれの質は下がっている。
  1. Invention No.1
  2. Invention No.2
  3. Invention No.11
  4. Sinfonia No.4
  5. Sinfonia No.11
  6. Goldberg Air
  7. 平均律I No.1 Prelude
  8. 平均律I No.1 Fuga
  9. Goldberg 30
  10. Sinfonia No.2
  11. Sinfonia No.1
  12. Sinfonia No.3
  13. Scarlatti K.19 ←NEW!
名前だけは何となく知っているが、どの時代、どの国かは知らない人、作曲家なのか演奏家なのか音楽教師なのかもよく知らない、という認識であったスカルラッティの、そのなかでもマイナー曲となるK.19を弾くことになるとは思いもしないことであった。

核戦争で文明が崩壊して200年経った西暦2270年ごろ、放射性物質が降り注ぐボストンにて正体不明のラジオ局から流される戦前の音楽…という設定のラジオ電波に周波数を合わせていたところ耳に飛び込んできた、というのがこの曲との出会いであった。一聴すればただのバロックに聞こえもするが、よく聞けば人類文明の果て、ポスト・アポカリプスに大変マッチする未来的な曲に聞こえた。虚無を漂流するような曲調に、当初は、荒廃した世界観を演出するために作られた劇中用の音楽かと思っていたが、心に引っかかり気になって調べてみたところ実在する音楽であった。それも純然たるバロック、18世紀の音楽であった。

音楽的に特に優れているとか、メロディーやハーモニーが美しいとか、感情が高揚するなどの、一般的に「素晴らしい曲」と評価される要素がひとつも含まれていない曲であるが、奇妙な未来感というか、人間という存在の虚しさの予感というか、とてもとても静かでとてもとても冷たい湖に漬かって最期を迎えている、あるいは漬かりに行くために歩いていく中年男性の足取りというか、そのような漂流感に満ちた曲である。

ピアノ曲(本来チェンバロ曲であるがそれは無視)としての指の動作の難易度は低め。おおざっぱな印象としてはInvention程度というかバイエルに毛が生えた程度。オクターブ超を要求されないので手の大きさも不要。IMSLPで楽譜もタダ。
IMSLPにはいくつかのバージョンがアップロードされていて、私の使った楽譜*では「G」という見慣れない記号が出てきた。YouTubeでどこかの美女の演奏を見たところどうやら「G」は「左右の手の交差」を表す記号らしいと推察し、同時に2ちゃんねるで質問したところ、どこかのだれかがDはdroiteで右手、Gはgaucheで左手と教えてくれた。手の交差で左右が近くて手同士で物理的干渉をし、右手からしたら左手が邪魔で、左手からしたら右手が邪魔と感じる箇所があるものの、特に難度は上がらない。

*終盤に臨時記号の誤記がある(と思う)。「にナチュラルついてて意味不明、楽譜通りに弾いてみると明らかにおかしい」という箇所があるが、前後関係や響きから推察すると、ナチュラルはではなくにつくべき記号だろう。



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